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M&A企業買収

M&A企業買収のメリットとは?

M&Aは、規模の拡大のため、シェアの拡大のため、事業の多角化のため、弱い部門の強化のため、新規事業や市場への参入のため、他の地域への進出のため、川上または川下への進出のため、隣接業種への展開のため、事業統合のためなどに行われることが多く、近時、急速にそのすそ野が広がっています。

では、M&Aを行うことのメリットとは何なのでしょうか。

① 規模の拡大・シェアの拡大というメリット

M&Aにより売主会社の売り上げや取引先、経営資源を取り込むことができ、買主会社は規模の拡大を行うことができます。
流通大手のイオンは、ダイエーを買収し、子会社化することで、一気に業界シェアを伸ばすことができました。
流通業界では、現在でも、大手企業が中小以下の企業を次々と買収し、規模を拡大しています。
また、ドラッグ・ストアー業界においても、近年、業界再編が進み、当初、中小の店舗が主流であったにもかかわらず、現在においては、主要プレイヤーは数社に絞り込まれ、さらに寡占化が進行しそうな勢いです。
また、調剤薬局業界・医療介護業界・飲食店業界・食品業界もこの流れに沿って進んでいくものと思われます。

② 事業の多角化・隣接業種や異業種への進出というメリット

M&Aにより、今まで参入できていなかった市場や地域に参入することができたり、バリュー・チェーンの川上または川下へと事業を広げていったり、M&Aは、会社を大きくしていく上では非常に多くのメリットがあります。
楽天は、もともとネット小売り企業ですが、銀行・カード会社・旅行会社などの異業種を次々と買収し、業務範囲を広げてゆきました。
ライブドアーもそれを目指していました。
現在においても、多くのIT企業がITを基軸に関連する業種を次々と買収し、ITでのフルライン化を目指しています。

③ 弱い部門の強化というメリット

M&Aにより、対象会社の保有する優れた技術・ノウハウや優れた取引先などを取り込むことで、既存事業を強化することができ、M&Aは事業強化のためにも非常に多くのメリットがあります。
パナソニックは、もともと太陽電池や二次電池に強くありませんでしたが、三洋電機を買収し、太陽電池や二次電池を本体に取り込み、同事業部門を強化しました。
また、鉄道会社もその立地を生かして小売り事業を推進するべく、紀伊国屋スーパーや元町ユニオンなど特徴のある小売業者を買収し、小売り事業を強化しています。

④ 新規事業や市場への参入というメリット

新規事業には基本的にリスクがついてまわるものですが、既にその事業領域で実績を上げている企業を買収すれば、新規事業へのリスクを軽減できます。
一気に多岐にわたる事業展開を行えるのです。
HOYAも医療機器メーカーを買収し、内視鏡事業を強化しています。
本業が成熟化してきた企業は、積極的に、将来の優良事業の取り込みを目指しています。
また、現在においては、介護医療市場の急拡大に伴い、介護会社による医療法人の買収が多数行われています。

⑤ 事業成長に必要な時間を買う というメリット

M&Aは新規事業を一から立ち上げるのに比べて、一気に事業拡大に持っていけるという、時間を買うという側面があり、これが大きなメリットとなっています。
また、新規事業を立ち上げるには莫大なコストがかかりますし、また、従業員教育や取引先の開拓、企業組織に構築にも非常に難しく時間がかかりますので、M&Aをすれば短期間でこれらを取得でき、速やかな事業展開を実現することができます。

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