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運送業者に事業承継M&Aをお勧めする全理由

インターネットの普及により、自宅で手軽にショッピングが楽しめるようになりました。
かさばる日用品などは、大手通販サイトなどで購入している方も多いのではないでしょうか。
ネットでの受注が増えることにより、運送業ではドライバー不足に悩まされています。
仕事はあるけど、さばききれずに倒産・・・という選択を迫られている経営者が増加しているのです。今回は、経営を継続させることが難しいと言われている運送業について、M&Aがどのような効果があるのか?をご説明していきます。

1.運送業者がM&Aを検討する背景

まず、運送業とはどのような業種かということをご説明したいと思います。
運送業とは、陸上、海上、航空運送の中でも、陸上で運送する物とされ、ここでは、陸上運送である、車両(トラックといった大型車両、普通自動車、ライトバンなど)での運送を運送業界と定義しています。

《物流事業で過半数の市場規模がある運送業》
公益社団法人全日本トラック協会「日本のトラック輸送産業 現状と課題」(2017)によると、日本の物流事業全体の市場規模はおよそ25兆円で、このうち運送業界の市場規模は14兆5,449億円と物流市場の約6割を占めているとのことです。
これだけの売り手市場なのに、今の運送業界では、下記に挙げる深刻な状況があります。
運送業経営者がM&Aを検討するに至った背景についてお話していきます。

1-1.後継者不在問題

まず、一番にあげられるのが、この後継者がいないという問題です。
中小企業の社長の平均年齢は、60代と言われていています。その中でも65.9%において後継者不在だというのです。(帝国データバンク調べ)
そしてこの調査は、2011年に行われていますから、社長の平均年齢は上がり後継者不在問題はもっと深刻化しています。
60代社長が生まれた、昭和26年あたりから34年までは、出産率が上昇している時期です。
これら人口増加がピークになっていた世代が60代となってきて、若者の人口が減少しているのが日本の現状です。
ベビーブームで人口増加の時期に出生した人たちが、そろそろリタイアを考える時期に来ているのです。
後継者がいないのに、リタイアすることができるでしょうか。
この深刻な後継者不在問題の解決策として注目されているのが、このM&Aなのです。
身内、社内に後継者がいないなら、社外の第三者へ継いでもらおうという考え方が、中小企業経営者を中心に広がっています。

1-2.オーナーがリタイアしたい

先程も、ベビーブーム世代に出生した経営者たちが、リタイアを考える時期に来ているとお話しました。
後継者が不在だとリタイアもままならないのですが、運送業経営者の中には、車の運転が得意で、まだまだ配送の仕事はできるけど、経営面は他の人に任せたいと考えている方が多いのです。
これもM&Aのスキームが活用できるのです。
社外の第三者へ経営を引き継いで、オーナーは経営からはリタイアするけれど、現場での仕事は続けるということは可能なのです。
経営のプレッシャーからは解放されて、慣れ親しんだ日々の運送作業にはそのまま継続するということです。長年、経営を続けてきた運送業経営者ですから、従業員や取引先との対応も慣れていますので、譲受企業としても助かります。また、事業を譲り受ける条件として、元の経営者に残ってもらい業務を続けていくことをあげる経営者もいます。

1‐3.深刻なドライバー不足

ネット通販の利用者が増加した理由として、到着時間が短くなったことも挙げられます。
前日に頼んで、翌日の午前中、または当日中に到着可能なサービスもあります。
このような最短でお届けできるサービスを提供するには、優秀なドライバーを、多数確保する必要です。
ただでさえ、人手不足が深刻化している中で、それだけのドライバーを採用することは難しいでしょう。
受注は増え続けるのに、さばききれなくなり、廃業しかないのでは?とお悩みの運送業経営者は増加の一途をたどっています。
このような状態にも、M&Aでの事業承継は役立ちます。ほかの運送業と業務提携してドライバーを増員することもできますし、異業種でも大企業の傘下に入って資本力を増強して、雇用を増やすことも可能です。

2.運送業者が「M&A事業承継」を成功させる秘訣とは?!

この項目では、実際にM&Aを成功させる秘訣について4つご紹介します。
一番、気になる「自分の会社売れるのか?」という疑問について掘り下げていきます。

2-1.売れる会社とは?

《M&Aを行っても、売れる会社と売れない会社がある?!》
ずばり申し上げて、売れない会社っていうのはなかなかないといえます。
現在は、買い手希望が多くて、売り手市場だと言われています。
しかしながら、売れにくい会社は存在します。
ならば、気になる売れる会社ってどんな会社なのでしょうか?
①黒字経営であること。1期2期は経済情勢の影響もあり仕方ないが、3期連続で赤字はさけるべき。
②借入金は、年商以下に抑えられている。
③簿外負債(従業員の退職金など)が企業価値を損なうほどの額でないこと
④M&Aを行うことで、双方の企業同士の事業内容について相性がよくシナジーが見込めること。
⑤業界再編成を行っている業界

《売れる会社の特徴からわかること》

1期や2期の赤字決算なら仕方ありませんが、3期以上の赤字は経営面について再考する必要があり、売れにくい会社となってしまいます。経営状況が悪いので売りに出すことを検討する場合もありますし、また赤字企業を買いたいという企業はいます。赤字企業を買いたがる企業は、買いたたいて、安く手に入れようと考えている場合もありますから、やはり黒字経営に成長させてから売却することが望ましいです。
また、過度な節税対策として粉飾決算や不正経理を行うこともよくありません。
そして気をつけたいのが、簿外負債です。簿外負債には、将来支払いが発生する従業員の退職金、設備機器、社用車をリース契約している場合の残額なども簿外負債に含まれます。
退職金などは、中退共に加入するなど日ごろから大きな出費に備える対策が必要です。
売れる会社の特徴を見て、④に関して疑問を感じる経営者は多いのでないでしょうか。売却した後に、企業同士のシナジーがあるかどうか聞かれても、わからん!とういのが正直な気持ちですよね。
それならば、少し考え方の角度を変えてみてください。自分の会社の「強み」とはなんでしょうか。
例えば・・・
・大手企業の取引先が複数ある
・長年勤務してくれている正社員ドライバーが多数いる
・独自に構築したシステムで管理した物流倉庫を所有している
などなど、定期的に受注がある安定した取引先と優秀なドライバーを抱えている雇用が存在して、物流に関しても独自システムを所有しているとなるとかなり事業価値が高くなってきて、「買いたい」という企業が複数名乗りをあげるということです。
④の買収、合併後のシナジーを考えるとき、まず自社の強みについて再認識していただきたいのです。
自社の真の強みを見つけることで、「売れる会社」になっていくのです。
⑤の業界再編成を行っている業界という点ですが、現在、運送業界は、M&Aが活発に行われています。
中小規模の運送業が、大手スーパーと業務提携したということが多く行われています。
すなわち「運送業」は売れる業種であり、まさに今、絶好のM&Aを行うタイミングともいえるのです。

2‐2.あなたの会社を買ってくれる相手の見つけ方

さて、会社の事業価値を把握して、「売れる会社」ということが認識できても、それを実際に買ってくれる相手を見つけなければいけません。

どうやって見つけるのか?

従来であれば、取引先銀行に相談して買い手企業を探してもらったり、また、知り合いに買ってもらうということもありました。
しかし、現在のM&Aで買い手を見つけるために多く行われているのは、専門のM&Aアドバイザーを探して、相談したうえで、自社の事業価値をしっかり理解してもらったうえで、買い手を探してもらうという方法です。
現在では、買い手企業もインターネットでM&Aアドバイザーのホームページにアクセスして売り手企業を探しているのです。
売り手企業側も、M&Aアドバイザーのホームページを閲覧する、セミナーなどに参加して買い手企業を探しています。インターネットで?と意外に思われるかもしれませんが、あとくされがなく、M&Aに慣れた買い手を探すことでM&Aが短時間で完了するということになります。

2-3.M&Aアドバイザーの見つけ方

《M&Aアドバイザーにはどんな人がいいの?》

買い手の探し方をお話しましたが、そもそもM&Aアドバイザーってどんな人がいいのか?となりますよね。
M&Aを完了させるまでに必要なことは、ずばり「交渉」「調査」となります。

デューデリジェンスという買収監査という項目があり、これは、財務、事業、法務という3本柱からなります。財務は経理面ですし、事業というのは、事業計画書、事業内容を示す書面となり、法務は登録証や各種免許証、労働契約書などもこの法務に含まれます。
社内に保管されている書類になりますが、買い手企業から調査の人間が来て徹底的に審査していきますので、ポイントをおさえて準備する必要があります。また、買い手は複数回、M&Aを経験していますが、売り手側はほとんどの場合初めてということになります。この書類の準備がとても大変なのです。
M&A経験が豊富なアドバイザーは、売り手側企業にとっては不可欠な存在となってきます。
要点を抑えた交渉と調査において強力にサポートしてくれます。

2‐3.M&Aアドバイザーを弁護士に依頼するメリット

弁護士に企業買収についてアドバイザー契約を結ぶと聞くと・・・
「うちみたいな中小企業でも相手にしてくれるんだろうか・・?」と一抹の不安を抱く経営者もいらっしゃるかもしれません。
大企業でのM&Aではサポートチームが設立され、そのブレーンの中に必ず法律の専門家である弁護士は存在します。
しかし、次の項目でもお話するのですが、M&Aというビジネススキームが大企業だけのものではなくなってきたのです。中小企業での事業承継に活用されることが急激に増回しているのです。
先述もしていますが、デューデリジェンスにおいても、法務デューデリジェンスがあり、自社が事業を行う上で締結した契約について一つ一つ見直して、事業承継の場合は、そのまま契約を新しい経営者に引き継ぐ必要があります。弁護士にM&Aアドバイザ―になってもらうことで、この煩雑な契約引継ぎについても強力にサポートしてくれます。また弁護士は交渉ごとのプロですから、交渉についても依頼人の立場に立ち、優位になるよう勧めてくれます。
中小企業経営者のM&Aにおいてこそ、弁護士のスキルが必要なのではないでしょうか。

また、M&Aが完了した後も、顧問契約を結ぶことも可能ですから、新しく事業を始める場合、また譲渡した事業において何かトラブル起こった場合にも安心して対応してもらえるという大きなメリットがあります。

2‐4.M&Aは大企業だけのものではない

《サラリーマン、OLが会社を買う時代が到来?!》

先程、M&Aは中小企業にこそぴったりなビジネススキームだということをお話しています。
これは、企業間だけでなく、サラリーマンも会社を買うことがおおくなってきているのです。
勤務している会社の事業内容と近い企業を買うことで、サラリーマン時代に身に着けたスキルが経営にも活かせるというのです。従来はサラリーマンがスキルを活かすには、転職してまた別の企業に就職することが多かったのですが、銀行から融資を受けて企業を買い取り経営することも選択肢となったのです。
今後の10年間で126万社が廃業して、650万人もの雇用が喪失すると言われる「大廃業時代」に突入してきました。
親族、社内から後継者を選出するのがむずしくなった今、社外の若い力を取り入れるために、優秀なサラリーマンへ事業承継M&Aを行うことが増加傾向になっています。

3.まとめ

サラリーマンも会社を買う時代になったとお話していますが、会社を買うこと、また経営していくには煩雑な契約が存在します。法律に強い弁護士にアドバイザーになってもらうことは、サラリーマンが会社を買って、経営者になることにおいて必要不可欠なことではないでしょうか。
M&Aを検討している、買い手ってどうやって探すのかな?と思ったら、ぜひ弁護士に相談してみることをお勧めいたします。

 

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